2016/12/04

Monocular SLAM,Visual SLAMの利点,欠点,適用先

Monocular SLAMとは単眼のカメラを用いて行うSLAMでした

これ以降の記事ではMonocular SLAMについて主に述べていくことになる。

カメラはセンサとしてありふれており,カメラを搭載する様々なものでSLAMすることができます.

センサとしてカメラの特徴は「軽量」,「安価」であることがまず主張されます.

しかし,センサの性能としても有用です.


カメラのセンサとしての優秀さ
 ○「すごく細かく(密に)情報をとる」
  ⇨カメラでとった画像に隙間はありません.よって情報を見逃しにくいです.
   一方LRFなどで撮ったデータには隙間ができます
   隙間ができないことをデータが密である(dense)といいます.
   一方とったデータに隙間ができていることを疎である(sparse)といいます.

 ○「時間的にも細かく情報をとる」
  ⇨動画は画像がすごい速さで切り替わることで構成されます.
   普通の測距センサと比べて高速な傾向があります.

 ○「とる情報に距離の制限がない」
  ⇨測距センサでは近すぎる距離を測ることはできないし
   遠すぎる距離も理解することができません
   一方カメラを用いれば見えているデータをすべて扱うことができます.
   実際に扱えるデータには距離の制限も関係してきますが,
   センサとしてはどんな近い情報も,どんな遠い情報も得ることができます.

 ○「得られる情報が距離だけにとどまらない」
   ⇨カメラは要するに人が目で見ている情報を得ているということを意味します.
    ひとは目を用いて見えているものの距離だけでなく,
    見えているものが何か(物体認識),とか天気とか様々な情報を得ています.
    これはカメラでも同様。物体認識以外はまだあまりSLAMには応用されていませんが。
 ○「ARへの適用ができる」
  ⇨センサの優秀さとはちょっと違うけれど。。
   ARとは拡張現実感(Augmented Reality)の略。
   もともとある画像にCGを重ねてあたかも現実世界に
   そのCGがあるように見える技術みたいな感じ。
   
   最近のわかりやすい例ですと,3dsのARですかね.
   3dsのカメラでカードを映すとカードの上にキャラクターがいるように見えます.
   キャラクターの存在する基準としてカードがあります.
   なのでカメラを動かしてもキャラはその場にとどまり続けてくれます.

   一方SLAMを使うと地図を作成し,そのある場所を指定すれば
   そこに地図を基準としてキャラが存在し続けてくれます.
   要するにキャラクターの存在基準をカードなしで実現することができます.

   これはVisual SLAMの草分け的なPTAMで最初から取り組まれています.



   これはゲームだけでなく,手術の時にそのナビゲーションに使うなど
   娯楽以外にも適用が考えられています.

・カメラのセンサとしての欠点
 ○距離を直接得られるわけではないので「距離の計算に時間がかかる」
 ○距離の計算に際近似などが入ってくるので「距離の計算に誤差が混じりこみやすい」
 ○「画像の切り替わりが高速すぎてリアルタイム計算することが難しい」
 ○「暗い時にデータを得られない」
 ○「凸凹していても色の変化があまりない壁などを認識しにくい」
 ○「絶対的な距離はわからない」
   ⇨目で見るだけでは1mとか、1cmとか測れません。
    だから現実とは相似だけど大きさには単位無しの自己位置推定とマップになる。
    知りたければ他のセンサと併用したり、既知の大きさの物体を教えてあげる必要がある。

まあ、適用先によってセンサは適切なものを選ぶ必要があるってこと。

以上の特徴からVisual SLAMの向いている適用先をAR以外にも紹介
【軽量なセンサしか詰めないもの】
 スマホ、UAVs(ドローン)とか

今回はドローンに注目してみます.
ドローンは普通自己位置推定にGPSとIMU,方位磁石を用います.

ドローンの使用例としてはインフラや自然環境の観測が考えられますが,
GPSは山間部やビル群などで数十m単位の誤差が発生することがあります.

そこでうまく操作が利かなくなり,変な方向に飛んでって言ってしまうFly awayをおこします.
また,複数のセンサを用いることにより,自己位置を推定するのでどれか一つでもおかしな値を出したり同期が狂うと自己位置推定に失敗します.

カメラは比較的壊れやすく、カメラだけでSLAMすれば同期の必要もないのでドローンの搭載に向いていると言えます.

0 件のコメント:

コメントを投稿